鍼灸治療とは

鍼灸治療とは

 鍼灸は中国で発祥、2000年以上の歴史を持つ東洋伝統医学の治療法の一つで、個人の体質に合わせ、鍼か灸を用いて経穴(ツボ)を刺激することで身体のバランスを整えて機能回復をはかる物理療法です。
世界保健機構(WHO)が有効と認めている鍼灸治療適応症には、頭痛・神経痛・神経麻痺・脳卒中後遺症などの神経系疾患、肩こり・腰痛・変形性膝関節症などの運動系疾患、高血圧・低血圧などの循環系疾患ほか計43疾患があります。
 日本では、平成30年4月から厚生労働省により機能訓練指導員に鍼灸師も加えられ、理学療法士・作業療法士などリハビリ専門職とともに東洋医学知識を有する鍼灸師も機能訓練が実施できるようになりました。今後さらに鍼灸師の医療福祉分野での活躍が期待されています。

当施設での鍼灸治療について

 当施設は鍼灸師養成コースを持つ鈴鹿医療科学大学関連の老人福祉施設であり、治療を希望する施設利用の方を対象にサービスで行っています。これは他の施設にはない特徴であります。
 開設してから延べ70名以上の利用者が鍼灸治療を受け、治療により顕著な身体的精神的症状の改善が見られました。治療を受けた人達から身体が柔らかくなった、手・足がスムーズに上がるようになった、とても気持ち良く楽になった等の多くの評価を頂きました。また、その結果として、ご家族様からも熱い信頼が得られています。と同時に、介護に当たる当施設の職員からも介護がしやすくなったことが報告されており、治療の効果が現れています。
 また、当施設は鈴鹿医療科学大学鍼灸学科の学生の見学実習の場でもあります。利用者と若者の触れ合う機会を提供し、福祉施設での鍼灸治療を現場で学ぶこともできます。

鍼灸治療を希望される方へ

治療までの流れ

  • ① 現場職員へ鍼灸治療希望を申し出

    ※鍼灸治療をご希望の方は
     当施設の利用者であることが
     ご利用条件となります。
    ※鍼灸治療をご希望の方は
     当施設の利用者であることがご利用条件となります。
  • ② 鍼灸師よりご本人様へ問診・説明

  • ③ ご本人さま、またはご家族さまの同意書の作成

  • ④ 治療開始

治療費は無料になります。
ぜひご相談ください。

効能(主な治療効果)

  • 疼痛の緩和
  • 血液・リンパの
    循環改善
  • 関節可動域の
    維持・増大
  • 内臓諸器官の
    機能改善
  • 残存機能の改善
  • 心理的効果

スタッフ紹介

王桂鳳 (オウ ケイホウ)資格:はり師きゅう師中国医師資格

 私は王桂鳳(オウ ケイホウ)と申します。中国出身で、天津中医学院第一附属病院で鍼灸を学び、中医師として病院勤めをしていました。12年前日本に来ました。その後、鈴鹿医療科学大学鍼灸学部に入学し4年間学び、鍼灸師の国家資格をとりました(中国の医師免許持っていますが日本では使えません)。
その後、大学院修士過程で1年半鍼灸効果の作用機序に関する臨床研究も行い修士の学位をとりました。
 現在は母校の関連施設である当施設の鍼灸師として勤めさせてもらい、とても幸せと感じています。中国での鍼灸治療経験をここで生かし、利用者方々の治療や健康維持に貢献できるように一生懸命頑張りたいと思っています。よろしくお願いします。

鍼治療

 当施設では、完全滅菌済み(エチレンオキサイドガス処理)の使い捨ての鍼を使用しています。
また、必要に応じて中国鍼を使用する場合もあります。鍼はそれぞれ太さが0.16~0.30mm、長さが約0.6〜6cmで、鍼先は非常に細く、痛みはほとんど感じません。刺入により鈍い痛みや違和感、重い感覚などが生じる場合もありますが、これらの感覚は鍼がツボに入った時に生じる「響き」であり治療効果の現れです。通常は時間とともに軽減するため心配ありません。
 しかし、鋭い痛みや電気の走るような不快な感覚が生じることもあります。これらの痛みは鍼先が皮下の痛点や末梢神経に触れたときにおこるものです。
また、稀に毛細血管に当たって内出血を生じる場合もありますが、そちらも時間とともに軽減するため心配はありません。

その他の治療

 当施設では鍼を主体とする治療を行い、必要に応じて個別対応で間接灸治療(皮膚に直接火が当たらない方法)も行います。
この他にも温熱療法(赤外線治療)なども行っています。